QNX Aviage Acoustic Processing Suite
QNX® Aviage® 音響処理スイートは、フィールド実績のあるアルゴリズムのモジュラ型ライブラリであり、会議室から自動車まで、騒音の多い音響処理環境での音声通信の明瞭さ、品質、および精度を向上します。自動車内、電話会議、テレプレゼンス、およびVOIPなどさまざまな音声通信環境に適合し、高品質で明瞭な音声ソリューションを低いコストで実現します。また、多様な異なる環境に合わせて時間のかかる調整を行う必要がありません。
最高レベルのオーディオ品質
QNX Aviage 音響処理スイートの送信側/受信側の両方に内蔵されたモジュールは、明瞭で精度の高い音響を実現するために設計されています。モジュールの機能には、アコースティック エラー キャンセレーション(AEC)、ノイズ低減、風切り音抑制、ダイナミック パラメトリック イコライザー(DPEQ)、帯域幅拡大などが含まれます。移動中の自動車内や混雑した会議室など騒音の多い環境でも、精細で高品質な音声通信を行うことができます。
最小限の調整作業
QNX Aviage 音響処理スイートでは音響処理専用のハードウエアが不要なので、調整に要する時間を最小限に抑え、製品を迅速に市場投入することができます。また、以下のような特長により、調整処理がさらに短縮されています。
- 包括的なテスト - VDA(ドイツ自動車工業会)規格対応テスト、車両内テスト、堅牢性と回帰テスト、研究開発段階でのマルチサイト テストにより、業界規格への準拠や、各プロジェクトと実装に必要な調整作業の低減を確実に実行
- 調整および統合ツール — 高度な診断モジュールと Windows リモート コントロール クライアントにより、最終的な微調整が必要な場合に音響特性の分析を迅速化
ソリューション ハイライト
- 定義済みのモジュールとして構造化された、フィールド実績を有するアルゴリズムのスケーラブルなライブラリ
- パワフルで適応性の高いアルゴリズムと、シンプルな API により、チューニングにかかる時間を削減
- C 呼び出し可能なスタンドアロン ライブラリが実現する最小レベルの遅延と MIPS
- チューニングと統合をより効率的にする高度なツール
- Acura から Porsche まで、生産/採用実績あるテクノロジ
QNX® Aviage® 音響処理スイートはより低い生産コストで容易にカスタマイズおよび統合することができ、市場投入までの期間を短縮します。
生産コストの削減
QNX Aviage 音響処理スイートでは音響処理の専用プロセッサ(DSP)を追加する必要はありません。これにより、1 ユニットあたり最大 15 ドルの資材コストを削減することができます。
QNX Aviage 音響処理スイートは汎用プロセッサまたはDSPに搭載されたほかのアプリケーションと共存できるよう設計されたシングル ライブラリです。今日求められる高品質なステレオサウンドのハンズフリー通信を実現しつつ、コストを削減できます。このライブラリは車両内の音声/テレマティクス/ラジオ モジュールのメイン CPU/DSP と効率よく容易に統合することができます。
カスタマイズとインテグレーション
複数のプラットフォームでの使用と容易なアップグレードを念頭に設計された QNX Aviage 音響処理スイートは、そのままでも再利用できます。また、追加の開発投資を最小限に抑えて、異なる生産ラインに渡って容易にカスタマイズすることができます。
スイートに付属のツールを使用して、プロジェクトを迅速に完成させ、厳しい基準に対応することができます。
- 高度な診断モジュール - 迅速な問題解決
- Windows リモート コントロール クライアント - 機能のオン/オフの切り替え、EQ カーブなどのパラメータの表示と変更、音飛び地点での音声データの読み取りなどにより、最適な設定を発見
市場投入までの時間を短縮
QNX Aviage 音響処理スイートは、プロジェクトの開発期間を短縮します。モジュラ式のアーキテクチャにより、受信側/送信側両方で処理ステップの追加、削除、カスタマイズ、デバッグを容易に行うことができます。
プレテストにより VDA(ドイツ自動車工業会)などの基準に準拠しているか確認し、プロジェクト開発を遅らせたりコストを上昇させている不確定要素を取り除きます。開発者は高度な診断モジュールを使用して、迅速に問題を特定して解決することができます。
QNX® Aviage® 音響処理スイートはモジュラ型であるため、プロジェクトではすべての機能でも必要な機能のみでも、いずれも実装できます。
QNX Aviage 音響処理スイートは、困難な音響環境に対処するよう立案設計されました。現在利用可能な音響プリプロセス ソリューションにおいて最も洗練され、高度な柔軟性を誇っています。
ハンズフリー通信のパフォーマンス
QNX Aviage 音響処理スイートは、自動車内ユーザーと電話会議の参加者向けのハンズフリー通信を強化するよう設計されています。
モジュール ソフトウエア ライブラリ
QNX Aviage 音響処理スイートの洗練性は、高品質でスケーラブルなアルゴリズムのソフトウエア ライブラリに基づいています。このライブラリは定義済みモジュールとして構築されており、アプリケーションの要件やキャビンのコンディション、必要な音声拡張範囲に基づいて設定することができます。
ライブラリとモジュールは、車両ごとの調整を行わずに使用しても優れた性能を発揮します。また、開発者が特定の性能レベルや環境に合わせてカスタマイズすることもできます。
包括的なテスト
QNX Aviage 音響処理スイートは包括的なテストを受けており、VDA などの規格の準拠、最終製品の品質、プロジェクトのリスク低減を実現しています。
VDA および車両内テスト
- ファイルベースの VDA テスト
- 車両内 VDA テスト
- 主要リリース前には、複数の車両で広範囲に渡るテストを実行
堅牢性と回帰テスト
- 堅牢性に関する広範囲に渡る「ワーストケースシナリオ」テスト
- 一連の開発テスト、アルゴリズム テスト、および QA 回帰テスト
研究開発段階でのマルチサイト テスト
- 同韻診断テスト(Diagnostic Rhyme Test : DRT)
- 明瞭度診断頭韻テスト(Diagnostic Alliteration Tests for intelligibility : DALT)
- CMOS 品質テスト
QNX Aviage 音響処理スイートの送信側モジュールでは、受信される信号、つまりマイクに取り込まれる音声の品質を向上するため、車両内のマイクからのオーディオ信号を改善しました。
音響エコー キャンセレーション(AEC)
音響エコー キャンセレーション モジュールは、キャビン内のスピーカーから発生するフィードバックを除去することによりハンズフリー通信中のエコーを低減します。
デュアルチャンネル ミキサー&ポスト フィルタ(CMIX)
デュアルチャンネル ミキサー&ポスト フィルタ(CMIX)は、2 つのマイクから取り込まれる情報により、送信信号の音声コンポーネントをマルチマイク ビーム形成ソリューションと比較してより効果的、効率的に向上します。2 つのマイクから取り込まれた相関性のないノイズを低減するポスト フィルタは、騒音低減に特に機能を発揮します。
このモジュールは、さまざまなマイク配列設計で最適な送信側音声品質を提供します。さまざまな車両の幅広い配列設計でマイクの性能が不十分な「ワーストケース」シナリオのテストを行ったこのモジュールを使用して、お客様からのマイクに対するさまざまな条件にビーム形成ソリューションと比較し、より柔軟に対応することができます。
高周波数エンコーディング(HFE)
高周波数エンコーディング モジュールは、高周波域の子音(特に、「s」や「f」などの摩擦音)を聞き取りやすい音声で転送できるように高周波音を低周波音に圧縮し、携帯電話ネットワークのコーデックで通信できるようにします。この周波数エンコーディングにより、電話通信音声は受信側でもより自然かつ明瞭になります。
ノイズ抑制と発話強調(NR)
ノイズ抑制と発話強調モジュールは、路面からのノイズなど付加的なダイナミック ノイズの影響を抑制します。不要なノイズや歪みを除去して信号の発話部分を強調することにより、全般的な音響環境だけでなく、音声の自然な品質や流れを維持します。モジュールはデュアルマイク ミキサーをサポートしています。
風切り音の除去(WB)
風切り音除去モジュールは、開いた窓やデフロスタ、コンパーチブル カーやビルの冷暖房装置から流れ込む風が与える音響上の影響を認識して除去します。
イコライザー(PEQ および DPEQ)
イコライザー モジュールは、スタティック EQ(PEQ)とダイナミック EQ(DPEQ)の両方をサポートするパラメトリック イコライザーを使用して、ハンズフリー通信の送信部分の音声品質を制御します。DPEQ では、ユーザーは 2 つのスタティック EQ カーブを指定することができます。このカーブはマイクロフォンの SN (信号対ノイズ)比に基づいて指定可能であり、結果として両方のカーブがスムーズに調和したイコライズを行うことができます。
ダイナミクス(AGC および LIM)
ダイナミクス モジュールには、一時的なノイズではなく音声に基づいて信号のゲインを増減するスマート オート ゲイン コントロール(AGC)メカニズムが内蔵されています。受信音量と明瞭度を増加し音声クリッピングを低減することで、ファー エンドは一定のレベルで音量を受信します。ソフト リダクション(LIM)により、発声の最大音量時に歪みが生じるのを防ぎます。
QNX Aviage 音響処理スイートの受信側では受信信号の品質が向上しており、常に高品質でニアエンドな音声を実現します。これにより、ユーザーがシステムを制御しなくてもより快適な通信が実現し、自動車内環境ではドライバーの注意が散漫になることもなく、安全性の向上につながります。
電気ノイズ抑制(ENS)
電気ノイズ抑制モジュールは、スピーチセグメントにおいて、NAD(ネットワーク アクセス機器)チップなどから発生するノイズを検出して抑制します。
帯域幅拡張(BWE)
帯域幅拡張モジュールはナローバンド ハンズフリー信号の周波数範囲を拡張し、車両内でも、正確、自然、明瞭な音声を聞き取ることができます。
ハンズフリー電話の通話信号に使用される 300 Hz ~ 3400 Hz というナローバンドの周波数範囲の受信信号を、自然な人の話し声である約 60 Hz ~ 100 kHZ にまで拡張する独自のテクノロジにより、受信通話の品質を向上させています。
イコライザー(PEQ)
イコライザーではパラメトリック イコライザーを使用してハンズフリー通話の受信側の音声品質を制御します。
ダイナミクス(AGC および LIM)
ダイナミクス モジュールには、一時的なノイズではなく音声に基づいて信号のゲインを増減するスマート オート ゲイン コントロール(AGC)メカニズムが内蔵されています。受信音量と明瞭度を増加し音声クリッピングを低減することで、受信側は一定のレベルで音量を受信します。ソフト リダクション(LIM)により、発声の最大音量時に歪みが生じるのを防ぎます。
ダイナミック レベル コントロール(DLC)
ダイナミック レベル コントロール モジュールでは、ノイズがある状況でも同じ音量で発声の聞き取りを可能にし、ノイズがある場合に音声の明瞭性が向上します。
音響エコー キャンセレーション(AEC)
音響エコー キャンセレーション モジュールは、キャビン内のスピーカーから発生するフィードバックを除去し、ハンズフリー通信中のエコーを削減します。
QNX Aviage 音響処理スイートでは、次の機能を利用することができます。
- システムの統合を容易にする Windows リモート コントロール クライアント
- システムの統合に関わる問題に対処する高度な診断モジュール
Windows クライアント
QNX Aviage 音響処理スイートの Windows リモート コントロール クライアントは Windows ベースのアプリケーションで、音響処理ライブラリの動作をグラフィカルに制御します。このモジュールはハンズフリー通話中にハードウエアとの TCP/IP 接続を介して動作し、次の操作を行うことができます。
- NR、AEC、RES、PEQ および AGC などの機能のオン/オフの切り替え
- EQ カーブなどのパラメータの表示と変更
- オーディオのさまざまな音飛び地点をファイルに記録
- イベントを wav ファイル マーカとして記録
- 設定の保存/ロード
- 高度な診断モジュールによる診断の実施
高度な診断
QNX Aviage 音響処理スイートの高度な診断モジュールは、遅延の自動補正、テスト波形生成、干渉および歪み測定、ダイナミック レイテンシ テスト、増幅器のダイナミック チェック、結合測定、スタティック/ダイナミック インパルス応答測定に対応します。
たとえば、VDA 仕様の一部であるエコー キャンセル機能測定に使用されるファイル ベースのテスト アプリケーションは、エコー キャンセル ソフトウエアをシステム全体から分離して、製品テスト前にリリース時のパフォーマンスを予測します。
ライブラリ
C 呼び出し可能な、スタンドアロン ライブラリとして使用可能
対応プロセッサ
32 ビット汎用固定小数点および浮動小数点プロセッサ、および 32 ビット DSP(変更なし)
- ARM9+ LE(リトル エンディアン)
- ARM11 i.MX31 LE(リトル エンディアン)
- PPC BE(ビッグ エンディアン)
- SH4+ LE(リトル エンディアン)
- TI DSP C64x LE(リトル エンディアン)
(TI DSP BIOS で XDIAS 規格に準拠した XDIAS ラッパーを使用)
システム要件
QNX SDP 6.4.0 以降(ARM、PPC、SH4 および Texas Instruments C64x DSP ターゲット システム)特に、次のアーキテクチャのいずれかが必要です。
- ARM9: (固定小数点版)50 MIPS、31k RAM、260kB ROM
- ARM11: (浮動小数点版)71 MIPS、48k RAM、252kB ROM
- Davinci: (DSP 版)37 Mc/s、33k RAM、270kB ROM
- PPC:(浮動小数点版)48 MIPS、31k RAM、248kB ROM
- SH4: (浮動小数点版)30 MIPS、48k RAM、277kB ROM
選択したアーキテクチャのその他のオペレーティング システム(Microsoft WinCE、Linux、µITRONなど)のバージョンも利用可能です。詳細については、QNX の営業担当者にお問い合わせください。
最大要件
使用するサンプル レートおよびフレーム シフトにより異なります。
ハンズフリー モードの要件
- 8 kHz または 16 kHz、16 ビット PCM I/O
- 128 ポイント フレーム シフト(8 kHz 用)
- 256 ポイント フレーム シフト(16 kHz 用)
Release 1.3
- デュアル イコライズ カーブ混成(高ノイズ/低ノイズ両方の環境に対応)により、高ノイズのスペクトル特性や低ノイズの音声スペクトルを除去
- 電話やネットワーク アクセス機器が発生する低レベルの電気ノイズを除去するノイズ抑制機能を追加
- サンプリング周波数(最大 16 kHz)の増加によりヨーロッパの携帯電話システムの厳しい規格に対応し、MOST(Media Oriented Systems Transport)を介した音声再生品質を向上
- あいまいな発声やハイ カップリング環境でも通話品質を向上
- 再現テストや車両内の高調波歪み分析を容易にするテスティング ツールの強化
Release 1.2
- 受信側帯域幅の拡張(RBWE)
- 受信側パラメトリック イコライザー(RPEQ)
- 受信側オート ゲイン コントロール(RAGC)
- 受信側ダイナミック リダクション(RDL)
- 受信側ダイナミック レベル コントロール(RDLC)
- 追加診断(DIAG)
- ソースコード例の改善
- Windows リモート コントロール クライアント インターフェイスの改善
Release 1.1
- デュアルチャンネル機能(MIX)
- 高周波数エンコーディング(HFE)
- 風切り音抑制(WNDB)
- 送信側ダイナミック リダクション(SDL)
- Diagnostics API(DIAG)
- リモート コントロール サーバー(RCS)
- Windows リモート コントロール クライアント








